生活に必須となった常時インターネットに繋がったスマホ。
それを敢えて持たないで外に出ようと思った。
どんな感情を抱くかその変化を体感してみたかった。
あって当たり前だった状態から自分を切り離す。
時間の確認はTANITAのバイブレーションタイマーで。
情報収集は自分の目を通して映るものだけ。
意外なことにそれはそれは快適だった。
車に乗って夜のスーパーに行くことさえ新鮮に感じた。
煩わしいとも言える通知音は聞こえないし、数字やチャート、何かと比較することもなくなりストレス減少だった。
だったんだけれども、その帰り道に悲劇は突然訪れたのであった。
信号待ちで信号はまだレッドなライトを照らしている。
視線を下に落とし何やら対向車の動きがおかしいと感じる。
その時だった!
信号がまだ赤の状態にも関わらず対向車のフロント側が白線を越えて割と前の方に突き出ていた。
そして向かって対向車の右側から一台の車がじわじわと近付いて来たのだ。
まだ赤信号なのに!!←ここ注目
対向車がその一台との衝突を避けるために前に出ざるを得ない状況だったことをすぐに理解できた。
怖かっただろう。。
信号無視の上に本来ならあってはならない方向から車が突っ込んでくるのだから。
その後、信号が赤から青に切り替わりこちらも気を付けながらアクセルを徐々に踏み入れ始めた途端、
先ほどの車が急発進と急ブレーキをし出したのだ。
「ちょっと待て!」と心の声を上げざるを得なかったが、ここは大人のままでいようと我に返り、後ろを確認しブレーキを掛けることにした。
様子を見るしかないと判断するに至ったのは言うまでもない。
こんな時にスマホを持っていれば状況の証拠が残せるのに。。。
何もできずとても悔しい気持ちでいっぱいだった。
あれは関わるべきではない相手であることに間違いないことだと改めて感じた。
関わることによって、ムダな時間の発生だけでなく、事件事故に繋がる未来が見えたからだ。
急発進してきた車はそのまま前方に発車し進んでいったので、十分な車間距離が取れてからこちらも運転を再開するのだった。
ナンバープレートの数字と車の色だけはこの目に焼き付いているが、これだけでは何の証拠にもならない。
実害を受けたり物的証拠をこちらが持っていたならポリスに被害届を出すことも可能でポリスサイドも動いてくれるはずだ。
やはり、スマホを持っているのといないのとではこういう危険な状況に遭遇した際にかなり不利だと身を持って考えさせられたな。
スマホを持たないことで新鮮な気持ちを感じられたのはいいがデメリットもあるということを覚えておこう。
運転する側もそうでない側も身の安全には十分に気を付けてもらいたい。